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キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第22章 カレー騒動



解決策が思いつかないまま、着替えてダイニングテーブルに向かって。

それが目に入った瞬間、顔がひきつった。

まさかのカレーが今日も用意されていたから。

いや、玄関開けた瞬間から匂いで分かってたけどね!?

でも違うと思いたかったんだよ!!

だって、こんな状況になったそもそもの原因はこのカレーなんだよ!?

まさか今日も出てくるなんて思わないじゃん!!

動揺のあまり心の中はワーワー大騒ぎだったけど、それを口に出す勇気はなかった。

もうこれ以上カズと拗れたくないから。

それにしてもカズは一体どんなつもりでカレーを用意したんだろう…?

向かいに座ったカズの様子をちらりと伺ってみたけど、カズは変わらず無表情のままで。

うぅ、何の感情も読み取れない…

「食べないの?」
「食べます!いただきます!」

動けずにいたらカズに促されてしまって、慌ててスプーンを手に取った。

何故かカズは俺のことをじーっと見つめている。

俺は何を試されているんだろうか?
ここでの正解はなんだ?

答えが分からないままカレーを口に運ぶ。

緊張のしすぎで味が分からないかもしれないと思ったけど、それは全くの杞憂だった。

「うっま!!」

何かを考える前に勝手に口が動いてた。

ヤバっ!!

すぐに口を手で覆ったけど明らかに遅い。

絶対カズにも聞こえた。
この距離で聞こえないはずがない。

ダラダラと冷や汗が流れていく。
カズの反応がこわくて顔が上げられない。

でも仕方ないじゃないか、めちゃくちゃ美味かったんだもの…と、心の中で言い訳をしてみる。

昨日のと似てるけど、食べてみたら全然違うカレーで。

昨日のも美味かったけど、今日のは更に美味しい…っていうか、超絶俺好みの味だったんだ。

これも智くんが作ったのか?
だとしたら絶対褒めちゃダメだったよな?

これじゃ昨日の二の舞だ。
仲直りどころか、ますます悪化してしまう。

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