第21章 幸せな日々
「あ、そうだ!ごみ捨てはゴミを集めるところから俺がやるようにするね!」
「気持ちは嬉しいけど、その前に分別を覚えてほしいな。翔ちゃん結構適当に捨てちゃってるから」
潤との会話を思い出して提案してみたけど、苦笑したカズに容赦なくダメ出しされて。
「はい、もう本当にごめんなさい」
思わず涙目になってしまった俺を見て、カズはふふっと笑いながら励ますように背中をぽんぽんと叩いた。
「一気に全部出来るようにならなくていいんだよ。ちょっとずつでいいの。翔ちゃんが出来るようになるまで俺が教えるから」
「うぅ…カズの負担を増やしたくないのに…本当にごめん…」
自分で思ってた以上のダメダメさにガックリと項垂れる。
全部一からカズに習うなんて、本気でカズの仕事を増やすことになってしまう。
やっぱりプロに習いに行った方がいいんじゃないだろうか…いや、こんな些細なことならむしろ潤に教えてもらうとかの方がいいかもしれない。
あぁ、でもそうするとカズとの時間が減って、カズを悲しませてしまう。
それはダメだ。絶対ダメ。
……もしかして、実は俺が何もしないことが一番良かったりして?
いやいやいや…それはさすがに…でも…
ぐるぐると葛藤していたら、カズにふわりと抱きしめられた。
「そんなに落ち込まないで。翔ちゃんのそういうちょっと残念なところも俺には愛しいんだから。良いところもちょっとダメなところも全部ひっくるめて翔ちゃんが大好きなんだよ」
「カズ…」