第21章 幸せな日々
提案という名のカズのダメ出しは止まらない。
「お皿洗いの時、最後に洗い残しがないか確認するとか」
「洗濯物を干すときはパンパンしてシワを伸ばしてから干すとか」
どうやら俺の普段のお手伝いにも問題があったらしい。
自分ではちゃんとしてるつもりだったけど、カズがこうして挙げるくらいだから全然ダメダメだったんだろうな。
マジで子どものお手伝い以下じゃないかと、突き付けられた事実に打ちのめされる。
料理を習いたいとか言ってる場合じゃない。
その前に出来るようにならなきゃいけないことがあり過ぎる。
カズの言ってることは、確かに1つ1つは些細なことだ。
きっと今までかずは、ちょっとしたことだからと何も言わずにやってくれてたんだろう。
それでも積もり積もれば大きな負担になる。
こんなの本当に俺の甘えでしかないじゃないか。
俺がほんのちょっと意識して気をつけるだけで、減らせるカズの負担がこんなにたくさんあったなんて。
「今言ったことを気をつけてくれるだけでも俺はとっても助かるよ?」
「ごめんなさい。これからはちゃんとします」
にっこり笑うカズに平謝りしつつ、今朝潤に会えた幸運に心から感謝した。
潤に忠告してもらえて良かった。本当に良かった。
おかげで、本人も自覚してなさそうなカズの不満に気づくことが出来た。
俺の心はボロボロだけど、カズがこういう形でも不満を吐き出せて良かった。
これは放置してたらヤバかったと思う。