第21章 幸せな日々
まぁ結局、智くんも在宅ワークが多い仕事で出社回数はカズと大して変わらないっていうのと、偶然にもカズと智くんの会社が意外と近かったというのとで。
最終的にはカズも潤も納得してくれた。
俺と潤の会社は微妙に距離があるけど。
ま、遠いってほど遠くはないから全然問題なし!
「最近どう?」
並んで電車を待ちながら、何気なく聞かれたふわっとした質問につい首を傾げる。
だって潤とは結構な頻度で会ってるから、改まってこんな風に聞かれることなんて滅多になくて。
「どうって何が?」
何となく違和感を感じて、つい聞き返しちゃったんだけど。
「いや、ニノとの生活とか…まぁ色々…」
返ってきた曖昧な答えに、特に意味があっての質問ではなかったんだなと察する。
まぁ、単なる会話のきっかけだったんだろう。
うーん…カズとの生活なんて日々幸せが増していってるくらいで特に変わったこともないけど。
そんなに聞きたいなら、俺のカズがいかに可愛くて天使で、俺がどれだけ幸せなのか、具体的な例として今朝のことを話してあげよう!
「カズとの生活は幸せでしかないよ。今朝もさぁ…」
意気揚々と口を開いたところで
「あー、何も言わなくていいや。その顔見りゃ分かるわ」
俺の表情を見た潤にちょっと嫌そうな顔で止められた。
自分から聞いたくせに失礼なやつだな!
幸せそうで何よりだよって少し呆れたようにため息吐かれたけど。
幸せで何が悪いんだ!
自分だって念願の智くんとのラブラブ生活で幸せいっぱいだろうに。