第2章 誕生祝い to Nino
「智たちも…風間もさ、2人の時間を楽しんでくれたらいいね」
「風間?そりゃ楽しんでほしいけど…風間だけ?雅紀は?」
あんまり幸せだから、今は別行動中の2組のことも気になって。
まぁ、ラブラブカップルな智たちは何の心配もないから良いとして。
風間は…って思ったんだけど。
翔ちゃんはキョトンとして、全然ピンと来てないみたい。
「え?翔ちゃん気付いてないの?」
「え?何に?」
まさか翔ちゃんが気付いてないとは思ってなくて。
どうしよ…
たぶんそうだとは思うけど、風間が公言してるわけじゃないから。
うっかりしちゃったけど、人のことを勝手にペラペラ喋るのはよくないよね。
「ううん!何でもない!」
「え?ちょっと気になるんだけど…」
「雅紀は心配しなくても勝手に楽しむだろうから別にいいやって思っただけ!」
ちょっと強引だとは思ったけど、無理やり話を逸らすことにした。
「またそんな言い方して…本当は雅紀のこと好きなくせに」
たぶんわざと話を変えたことに気付いてると思うけど、優しい翔ちゃんは気付かないフリをしてくれる。
「そりゃ好きだけど…」
ホッとしてちょっとだけ素直に答えてみたら、途端に翔ちゃんがムッとした。
えー、もう…
翔ちゃんから言い出したんじゃん…
なんて、呆れる気持ちもなくはないけど。
こうやってヤキモチ妬いてもらえるのはやっぱり嬉しい。
好きって言われてるのと同じ気がするから。
「でも翔ちゃんの方がもっともっともーっと好きだよ?大好きだよ?」
翔ちゃんにも同じ気持ちになってほしくてストレートに伝えてみたら、翔ちゃんはなんだか照れてて。
可愛いなーって油断してたら
「俺も大好きだよ」
俺の大好きな声で耳元で囁くから、溶けちゃうかと思った。