第2章 誕生祝い to Nino
「カズ乗りたいものや見たいものある?」
「ううん、何でもいい」
「じゃあ俺に任せてくれる?」
「うん♡」
俺は本当に何でもいい。
翔ちゃんと一緒にいれるだけで楽しいもん。
「最初にファストパス取って、そのまま近くのアトラクションに行って…今日はショーも見たいと思ってるんだけど抽選のもあって…抽選はスマホで出来るから並んでる時にしよう…で、もし当たったら…」
翔ちゃんはしっかり計画を練ってきてくれてて。
歩きながら、考えてきたスケジュールを教えてくれる。
「はずれちゃった場合はさ…」
今日も何パターンも考えてくれてるみたい。
それをすごく幸せな気持ちで「うん、うん」って相槌を打ちながら聞いてるんだけど。
本当に俺のためにって考えてくれてるのが伝わってきて、自然と顔が緩んでしまう。
ニヤけすぎてものすごい不細工になってたらどうしようって心配になるけど、全然顔が戻らない。
……ま、いっか。
これだけくっついてれば、翔ちゃんの位置からはきっと見えないよね。
「ふふっ♡」
「なぁに?どうかした?」
幸せすぎてつい声に出して笑っちゃった俺を、翔ちゃんが不思議そうに見たから
「ううん、楽しいなぁって思っただけ♡」
「可愛いなぁ…」
素直に答えたら、翔ちゃんの目尻がデレッと下がった。
「翔ちゃんは?楽しい?」
「もちろん!すごく楽しいし、すごく幸せだよ」
翔ちゃんにも聞いてみたら、期待した通りの答えが返ってきて。
ますます顔が緩んでしまった。