第2章 誕生祝い to Nino
翔ちゃんは俺がぶちぶちグチってても全然気にしないで、ニコニコしてる。
「いやいや!やっぱりシーならではのキャラクターがいいかなって思ってさ」
「同じクマじゃん…」
今、俺がつけてるのはダッフィーの耳。
「全然違うよ!もちろんプーさんも似合ってたけど、ダッフィーも似合うよ♡すごく可愛い♡」
「………///」
ずるいよ。
こんな至近距離でそんなキラキラ眩しい笑顔見せないで///
どんなに拗ねて見せたって、こんな笑顔向けられちゃったら俺が勝てるわけない…
「去年とはまた違う可愛いカズが見たかったんだ。俺のワガママに付き合わせてごめんね?」
もうもう!
そんな言い方されちゃったら、もう何も言えないじゃん!
本当にずるいんだから…
「そんなことない…ありがと、翔ちゃん///」
諦めて素直にお礼を言えば、ますます翔ちゃんは嬉しそうに笑った。
「はい、これも貼ってね」
カチューシャの次は、さっき書いてもらった誕生日シールを胸にペタリと貼られる。
そこに書かれてるのは、去年と同じ。
『Happy birthday NINO』
翔ちゃん気付いてる?
これも不機嫌の原因の1つなんだからね!
「なんでニノなの?」
翔ちゃんがキャストさんにお願いする時にニノって言ったの、地味にイヤだったんだから!
でも翔ちゃんが恥ずかしそうに教えてくれた理由は、簡単に俺の機嫌を直してしまった。
「カズって呼んでいいのは俺だけだから。キャストさんにも、例えミッキーにだって、呼ばせたくないんだよ」
胸がきゅんきゅんしちゃって、ミッキーは喋らないと思うよっていうツッコミすら出来なかった。