第2章 誕生祝い to Nino
駅に向かう道も、電車の中も、ディズニーに着いてからも。
翔ちゃんはずっと手を繋いだままでいてくれて。
どんどん翔ちゃんをチャージ出来て、幸せいっぱいなんだけど。
でも今はちょっとだけご機嫌ななめ。
開園直後、今年もまた翔ちゃんはワゴンにスーッと吸い寄せられて行って。
誕生日プレゼントという名目のカチューシャが、あっという間に俺の頭に装着された。
「うん♡可愛いよ、カズ♡」
翔ちゃんは満面の笑顔でとっても満足げだけどさ。
俺は何度もいらないって言ったのに…
翔ちゃんてば全然聞いてくれないんだから!
「チケット買ってもらったのに…」
「それはみんなからね!これは俺から!」
「去年のプーさんのがあったのに…」
みんなでディズニーに来れるだけでも嬉しいのに、今年もチケットをみんながプレゼントにしてくれて。
それで十分すぎるくらいなのに、翔ちゃんは更に予告サプライズのプレゼントまで用意してくれてるんでしょ?
その上またプレゼントって!
明らかにもらいすぎだよ!
本当はさ、去年買ってもらったプーさんのカチューシャを持ってこようと思ってたんだよ。
去年翔ちゃんがすごく喜んで可愛いって言ってくれたから、今年もつけたらまた喜んでくれるかなって思って…///
でも去年のは持ってこないでねって翔ちゃんに釘を刺されちゃって。
1回しか使ってないのにもったいない…
あんなの日常で使えないから、まさに今日が使いどころだったのに…
もしかしたら今年はもう見たくないのかな…なんてネガティブな考えも一瞬頭をよぎったけど。
それは杞憂だったみたい。