第2章 誕生祝い to Nino
「迷惑だった?」
眉毛が下がっちゃって、ちょっと情けない顔。
いつもカッコいい翔ちゃんが時々見せるこの顔。
可愛くて、密かに俺は大好きなんだけど。
今は可愛い翔ちゃんに萌えてる場合じゃない。
「迷惑なわけない!」
翔ちゃんがシュンとしちゃってるから慌てて否定する。
そんなことあるわけない!
俺だってちょっとでも長く翔ちゃんと一緒にいたいもん。
翔ちゃんに朝から余計な労力使わせちゃったのは申し訳ないなって思うけど…
「すごくすごくすごーく嬉しいよ!ありがと、翔ちゃん♡」
にこって笑いかけたら、翔ちゃんも安心したみたいに笑ってくれた。
「じゃあ、行こうか」
はいって、ごく自然に手を差し出されて。
「うん///」
ドキドキしながらそっと手を重ねてみたら、指を絡められる。
いわゆる恋人つなぎってやつ…///
心臓は破裂しそうだけど、すごく幸せで。
気持ちがふわふわして足取りも軽くなる。
今なら空も飛べちゃうかも。
だから飛ばないように捕まらせてね…
そんなバカみたいな言い訳を心の中でして、繋いでない方の手で翔ちゃんの腕にしがみついてみる。
もし翔ちゃんがちょっとでもイヤそうな素振りをしたらすぐ離れようと思ってたけど。
ちょっと驚いただけで優しく笑ってくれたから、嬉しくなって隙間がないくらいぴったりくっつく。
くっついたところから心が満たされていくみたい…
翔ちゃんは隠し事はしててもずっと優しかったけど。
俺が勝手にいろいろ我慢してたから、やっぱり翔ちゃん不足だったのかも。