第2章 誕生祝い to Nino
-Nside-
昨日、翔ちゃんに不安を全部取り除いてもらえたからか、久しぶりにしっかりぐっすり眠ることができたみたいで。
今朝は早起きだったのにすっきりと目が覚めた。
カーテンを開けてみたら、去年と違ってすごく良い天気。
青空は神さまからのプレゼントかも♡なんて。
本気でそんなことを考えてる自分に笑ってしまう。
まだ家で、起きたばっかりで。
何にも始まってないのに、もうすでに嬉しくて楽しくて。
我ながらすごく浮かれてる。
でも仕方ない。
もともと楽しみにしてた日だけど、昨日まではもしかしたら行けないんじゃないかと思ってたから。
不安も心配も全部なくなった状態で、今日を純粋に楽しめることが嬉しいんだ。
今日も姉ちゃんに全身をコーディネートしてもらって。
楽しんでおいでと送り出されて、ウキウキと玄関のドアを開けたら。
そこに王子さまがいた。
「おはよう、カズ。今日も可愛いね」
キラッキラの笑顔が眩しくて、何も考えられずにぽーっと見惚れかけたけど。
すぐにハッと我に返る。
「………え?翔ちゃん?なんで?」
なんで翔ちゃんがここにいるの?
翔ちゃんとの待ち合わせは電車の中じゃなかった?
え?俺、勘違いしてた?!
翔ちゃん迎えに来てくれるなんて言ってたっけ?!
翔ちゃんが当たり前みたいにそこにいるから、プチパニックになりかけてたら
「ごめんね、カズと少しでも長く一緒にいたくて迎えに来ちゃったんだ」
わたわたと動揺する俺に、翔ちゃんが申し訳なさそうな顔をした。