第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
ちょっと校長に対してモヤッとしなくもないが、そういうことなら、もうしばらく女子高生なカズを堪能させてもらおう。
カズが怒られないなら問題はない。
……と思ったけど、実際は問題だらけだった。
校長からちゃんと話が通っていたようで、カズが怒られることはなかったけれど、午後は全く授業にならなかったのだ。
まず誰も先生の話を聞いていない。
クラス全員カズしか見てないし。
なんなら先生もカズに見惚れてた。
そして授業中なはずなのに、廊下に絶えず人の気配があって、通りすがりを装って常に誰かしらが教室を覗き込んでいた。
あまりにもその人数が多いので、途中からは見張りの先生が立ち、のこのこ現れる生徒をとっ捕まえては説教していて。
ずっと騒がしかったから単純に先生の声が聞こえなかったっていうのもある。
後から聞いた話、最初からサボっていたり、保健室やらトイレやらに行きたいと授業中に席を立つ生徒が、全学年でかなりの人数いたらしい。
昼休みに目撃したやつらから、すごい勢いで噂が広まったんだろう。
ちなみに、休み時間はもっとひどかった。
可愛いカズを一目見ようとものすごい人数が押し掛けてきて、廊下がぎゅうぎゅうの満員電車のような状態に…
もちろん何があってもカズは守るけど、あれが全部なだれ込んできたらと考えるとちょっと不安になるくらいの人数だった。
クラスメイトたちが団結して、うちのクラスのやつ以外は断固として教室内へ入れないでくれたから本当に助かった。