第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
席に戻ると、潤も雅紀もカズを見て目をまん丸に見開いて驚いてた。
風間だけは平然としてたから、きっと智くん同様事前に聞いて知っていたんだろう。
ニコニコしながら、可愛いねなんてカズを褒めてて。
ありがとうとはにかむカズもニコニコしてて。
ほんわかしたやり取りにほのぼのとした気持ちになる。
でもカズは惚けたように固まる潤たちを見ると、一気に眉間に皺を寄せた。
「ちょっと!雅紀も潤くんも変な顔してないで!乾杯するよ!」
用意されてた紙コップにさっさとジュースを注いでみんなに配ると、2人の手にも押し付ける。
「………いや!いやいや!お前を待ってたんだろうが!」
ハッと我に返った雅紀が食ってかかるけど。
「翔ちゃん、お誕生日おめでとう♡かんぱーい♡」
カズはサクッと無視してマイペースに乾杯の音頭を取ると、俺の紙コップに自分のをこつんとぶつけた。
「おめでとう、翔くん!」
「かんぱーい!」
カズのペースについてこれたのは智くんと風間だけ。
潤たちはおいてけぼりになってた。
「おい!人の話を聞け!」
「マイペース過ぎんだろ…」
「まぁまぁ」
潤と雅紀がぼやいてるけど、宥めるのは風間に丸投げして、カズはお弁当の蓋を開けた。
「わぁ…!」
現れたのは、去年と同じように見た目も華やかなデコ弁。
何度経験したって、カズが俺のために弁当を作ってくれる現実に感動してしまう。
「…ありがとう、カズ」
「どうぞ召し上がれ♡」
感動にうち震える俺に、カズは嬉しそうににっこり笑った。