第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
「昨日何もしてあげられなかったから、今日してみたの。びっくりした?」
「した……腰が抜けそうなくらい驚いた……」
大袈裟でもなんでもなく本気で倒れそうなくらい驚いたと言うと、カズは楽しそうにふふっと笑ったけど。
すぐにちょっと不安そうな顔になって。
「その、どうかな?変じゃない?」
意味もなくスカートの裾を引っ張ったり、乱れてもいない髪の毛を直したりし始めた。
この落ち着きのなさもきっと不安の現れなんだと思う。
いつの間にかカズのすぐ後ろまで来てた智くんに、ものすごい目で睨まれる。
何度もやらかしてるから信用がないんだろう。
でも、今日は大丈夫!!
絶対に間違えないから!!
「変じゃないよ!!ものすごく似合ってる!!色々心配になるくらい可愛い!!この世に存在する全てのものの中でカズが1番可愛いよ!!」
間髪入れずに勢いよく答えると、カズは目を丸くしてたけど。
心からの言葉だということは伝わったんだろう。
ふわっと花が咲くように破顔して。
本当に嬉しそうに笑った。
反応を間違えなければこんなに可愛い顔が見れるんだ…と改めて知って。
今までの自分を振り返ってまたずーんと落ち込む。
俺はカズを傷つけた上に、こんな可愛いカズを見損ねていたんだな…
もちろん反省の気持ちはあるけれど、もったいないことをしたと思ってしまうのも許してほしい。