第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
ちょっと様子を伺ってみたけど、やっぱり何が起こっているのか全く分からない。
でもざわめきが止むことはなく。
それどころか、どんどん大きくなっている気がする。
まるで何かがこちらに近付いてきているような感じ。
外の様子が気になるのは俺たちだけではないようで、何人か席を立って廊下を覗きに行ってるやつもいた。
でも俺は何が起こっているのかよりも、何が起こっているか分からない状況でカズがどこにいるのか分からない方が気になる。
気になるというか心配しかない。
もはや恐怖すら感じてる。
こんな悠長に待ってる場合じゃない。
一刻も早くカズたちを探しに行かなきゃ!
さっきは出鼻をくじかれたけど、今度こそ迎えに行くぞと勢いよく席を立って。
「カズを迎えに行ってくる!」
潤たちにそう言いおいて走り出したけど。
タイミング悪く、この騒がしさの原因と思われる何かがこちらへ来てしまったらしい。
学食の入口辺りが一気に騒がしくなったと思ったら、あっという間に人垣が出来て唯一の出入口が塞がれてしまった。
「ちょっ…通して…」
早く廊下に出たいのに、野次馬たちの人の壁に阻まれて全然前に進めない。
何も見えないから状況も分からず、焦りと苛立ちばかりが募っていく。
さっきから何なんだ!
あまりの間の悪さに、何かにカズに会えないように邪魔されてるんじゃないかと被害妄想めいた思いまで浮かんでくる。
その時、突然人垣が割れた。