第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
でも待っても待ってもカズたちが来ない。
もういつもの倍くらいの時間が経っているのに。
「遅い…何かあったんじゃ…」
「いや、こんな真っ昼間の校内で何も起こらないだろ……でも確かにちょっと遅いな」
「そんなに購買混んでるのかな?」
最初はそわそわ落ち着かない俺を笑っていた潤や雅紀もちょっと心配そうな顔になってきてる。
「多少混んでたってこんなに時間掛からないよな?もしかして変な輩に絡まれたりとかしてるんじゃ…」
「智も一緒だからそうそう変なことには巻き込まれないと思うけど…」
潤はそう言うけど、カズだけじゃなくて智くんだって可愛いんだ。何があってもおかしくない。
嫌な想像をしてしまった俺は心配で居ても立ってもいられなくなって。
もうじっと待ってるなんて無理だから迎えに行こうと、席を立とうとしたんだけど。
「ねぇ、何だろ?何か外が騒がしくない?」
雅紀が学食の入口の方を見ながらそんなことを言い出したから、ちょっと気が削がれてしまった。
休み時間なんだから煩くて当たり前だろと思ったけど、言われてみると確かに廊下の方がざわざわしている。
それも日常の無秩序なやかましさとはちょっと種類が違う感じで。
でもここからじゃ何も見えないし、何を騒いでいるのか内容までは聞こえてこない。
「本当にやかましいな」
「何かあったのかな?」
潤たちもキョロキョロと辺りを見回しながら一様に首を傾げている。