第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
「約束ね」
「うん、約束する」
指切りげんまんしてニコッと笑ったカズは、それはそれは可愛かった。
女装してくださいってカズに頼む自分を想像すると、何とも言えない気持ちになって身悶えそうになるけど。
下手に隠して今回みたいにカズを傷つけてしまうくらいなら、俺が恥ずかしい思いをするくらいなんでもない。
きっとこれからだって可愛いカズを見たいという欲望が消えることなんてないんだから。
どうしてもの時は素直にお願いすることにしよう。
まぁ、そうは言っても、すぐにじゃあ女装してくださいとは言えないけど。
……………でも来年の俺の誕生日にはお願いしてもいいかな?
1年くらい間を開けて、誕生日っていうちょっと特別な日ならさ…ね?許される気がするよね?
何を着てもらおうか…なんて今から鬼が笑いそうなことを考えて、妄想に顔が勝手ににやけて。
ハッと我に返って、すぐに煩悩を振り払うように頭を振った。
軽く叩いて緩んだ頬を元に戻す。
いかんいかん!!
もっと真面目に反省しなければ。
全然反省出来てない自分にガッカリするけど。
きっと俺がいつまでもウジウジしていることをカズは望まないだろうから。
反省は大いにする。
でもカズの前では笑顔でいよう。
なんて、改めて心に誓って。
何気なく目を向けたいつもの公園に俺を待つカズの姿を見つけたから、慌ててダッシュで向かった。