第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
もちろんそれもある。
カズに嫌な思いはさせたくなかった。
でもそれだけじゃないんだ。
やっぱりカッコつけちゃったっていうのは大きい。
「それは違……くはないんだけど…でも…」
違うと言いきるのはカズのこと何にも考えてなかったって言うみたいで出来ない。
でもだからって、そうだと認めるのもなんだか恩着せがましいような…
どう答えるのが正解か迷ってオタオタしていたら、俺の顔を見てカズがクスっと笑った。
「……じゃあ、おあいこってことにしよっか」
「おあいこ?」
「そう。もうごめんねって言い合うのやめよ」
首を傾げる俺にカズが可愛らしく提案してくれるけど。
いや、絶対あいこではない。
どう考えても一方的に俺が悪いんだから。
でも何度も謝られるのをカズが負担に思うなら、カズの提案を受け入れるしかないだろう。
カズがもういいって言ってるのに謝罪を押し付けるのはもう俺の自己満足でしかなくて。
謝らせてもらえなくて苦しいのは俺が受けるべき罰なんだと思う。
「分かった…ありがとう、カズ」
罪悪感も何もかもを飲み込んで笑顔を作って頷くと、カズは安心したように笑った。
カズが憂いなく笑ってくれるなら、それが一番いい。
その後はしっかりスケートを満喫して、イルミネーションも楽しんだ。
胸の中では後悔と反省がいつまでも消えずに渦巻いていたけど、俺がちゃんと楽しまないとカズがまた自分を責めてしまうから。
全力で楽しんだし、意識して笑顔を絶やさないようにした。