第2章 誕生祝い to Nino
それにしても、翔と2人になれることを喜ぶかと思ってたのに、ニノのこの反応は予想外だった。
今日も朝から完全に2人の世界だったし、どうせ全員一緒に動いたところでそれは変わらないと思うんだけど。
まぁ、どうしても別行動しなきゃいけないわけではないから、ニノが嫌なら予定変更で全員でまわるか…
そう提案しようとしたら、雅紀が先に口を開いた。
「何がそんなに嫌なのさ?夕方には合流するんだから別にいいだろ?」
「え?そうなの?」
不思議そうな顔をして聞く雅紀に、ニノもキョトンとして。
確認するように俺を見るから
「そのつもり。一緒に飯食って、夜のショーはみんなで見ようかって…」
「なんだ、そっか…」
急いで肯定すると、ニノは安心したように笑顔を見せた。
なるほど。
1日中みんなバラバラだと思ってたのか。
さすがにそれじゃニノの言う通りみんなで来た意味がない。
ニノは何も聞いてなかったんだから説明不足だったな。
「そうそう、だからそれまでは翔くんと2人でディズニーデートを楽しんでおいでよ」
むぎゅっと雅紀がニノに向けて出来ないウィンクをするから笑いそうになったけど。
ニノは恥ずかしそうに頬を赤く染めた。
こんだけ堂々とイチャついてるのに、デートって単語一つで耳まで真っ赤になるって、相変わらず照れる基準が謎だ。
まぁ、この別行動はさ。
恋人との時間も作ってあげたいっていう雅紀の優しさなんだよ。
だからニノが受け入れてくれて、何となくホッとした。