第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
「何?嫌なの?」
口調もキツくなった智に再び鋭い視線で睨まれる。
もちろん嫌だけど、でもそんなこと言えるわけがない。
その自分は嫌だと思うことを智に望んでいたんだから。
「ま、したくないなら別にいいけど…」
「いやっ、待っ…」
返事をしない俺に興味を失ったように智がふいっと目を逸らしたから慌ててその腕を掴む。
やっともらえた許してもらえるチャンスを逃すことは出来ない。
「します!させてください!」
覚悟を決めて宣言すると、智は視線を戻してまたにっこり笑った。
「じゃあ許してあげる」
智の笑顔を見て、俺たちが仲直りしたことを察したニノや雅紀たちに安堵の空気が流れる。
そりゃ俺も安心したよ?
許してもらえて本当に嬉しいよ?
でもさ…
「約束、忘れないでね」
そう念を押されて顔が引きつってしまったのは仕方ないと思う。
「ニノ!大ちゃん!仲直り出来て良かったね!」
「風間!」
駆け寄ってくる風間の元に、ニノと智も走って行く。
「心配掛けてごめんね」
「気にしないで。さ、スケートしよ!」
「うん♡」
きゃっきゃとはしゃぎ出した3人を見て心底安心したし、ほのぼのした気持ちになるけれど。
翔と雅紀までもう何もなかったような顔をしてるのはちょっと腑に落ちない。
ってか、あっさり許された翔や雅紀に対して俺だけ罰が重過ぎんだろ!
こうなったら絶対あの2人も巻き込んでやる!
みんなでスケートを滑りながら、そう固く心に誓った。