• テキストサイズ

キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第19章 誕生祝い to Sho * 3rd



言葉を重ねるにつれて、智から漂ってる怒りのオーラが少しずつ和らいでいってる気がして。

あと一息なんじゃないかと思うんだけど、そのあとちょっとが難しい。

智、意外と頑固だもんな…

あと一押しをどうしたらいいのか考えあぐねていたら

「智…」

俺たちのやり取りを翔の腕の中からじっと見ていたニノが、あまりにも智の反応がないことに不安になったのか、泣きそうな声で智を呼んだ。

俺のことはとことん無視していた智も、ニノの呼びかけには敏感に反応して。

すぐに振り向いたんだけど、ニノの目に涙が浮かんでいることに気付くとギョッと目を剥いた。

「ごめん、智…俺のせいで智まで…」

どうやらニノは俺たちのケンカも自分のせいだと思ってるらしい。

「違うよ!ニノは何も悪くない!」
「でも…俺がもっとちゃんとしてたら…」

智はオロオロしながらも即座に否定する。

智の言う通りニノは悪くない。
どう考えても悪いのは俺だ。

でもニノはそうは思えないようで。

「2人が仲直り出来なかったら…俺、どうしよう…」
「ニノ…」

グズグズと泣きそうなニノに、智が困ったように口を閉ざした。

しばらく何かを考えているようだったけど、やがて頭をガシガシ掻きながら大きな大きなため息を吐いて。

見るからにイヤだけど仕方なくって感じで、俺の方を向いてくれた。

俺への怒りはまだ消えていないけど、ニノの涙には勝てなかったんだろう。

結果的に助け舟を出してくれたニノに、心の中でめちゃくちゃ感謝した。

/ 664ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp