第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
「ごめん、智…」
そっと近付いて、頑なに俺を見てくれない智の背中に向かって頭を下げる。
「本当にごめん。全面的に俺が悪かった…」
智がこちらを向く気配は全くないけれど、構わず頭を下げ続ける。
智が怒ったのは、俺たちが無神経にニノを傷付けたから。
それは間違いないだろう。
でもそれだけじゃない。
女の子と付き合えと吐き捨てた智の目は明らかに傷付いた色をしていた。
俺の無神経な言葉は、ニノだけじゃなく智のことも傷付けたんだ。
「俺は女装が好きなわけでも、女の子と付き合いたいわけでもない。智がいつもと違う可愛い格好をしてることに萌えるだけなんだよ」
智は以前俺が複数の女の子と遊んでいたのを知ってる。
だからバカなことばかり言う俺を見て、不安になったんじゃないかな。
俺がやっぱり女の子の方がいいと思ってるんじゃないかって。
でも、そんなことあるはずないんだ!
今の俺は智一筋!智しか見ていない!
「俺が好きなのは智だけ!智以外と付き合うなんて考えられないよ。智が嫌なら今後一生女装してほしいなんて言わないから…」
智がちゃんと聞いてくれてるのか分からなかったけど、よく見ると智の耳がほんのり赤くなってる気がして。
「本当にごめん…智だけが大好きだよ」
反応がなくてもめげずに謝罪と智への愛を訴え続けた。