第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
無事に仲直り出来たらしく早くもイチャイチャを再開した翔とニノに、ほんわかと微笑み合う雅紀と風間。
良かったと思う。
仲直りしてくれて安心する。
でも同時にちょっと恨めしく思ってしまうのは許してほしい。
だって智はまだ怒っていて俺を許していないから。
3人同罪なはずなのに、結局大変なのは俺だけじゃないか?
未だにこちらを全く見ようとしない智の背中に気持ちが重くなる。
「…潤くんも早く謝った方がいいと思うよ?」
深いため息を吐く俺に、遠慮がちに風間が声を掛けてきた。
「大ちゃんは今まで見たことないくらい怒ってるけど…とにかく謝るしかないと思う…」
その声音から俺たちのことを心配してるのが伝わってくる。
俺だって分かってる。
このままでいい訳がない。
早く謝らなきゃって。
「ごめん…潤…」
「いや…」
雅紀が申し訳なさそうな顔をする。
きっと雅紀は自分が巻き込んでしまったと思ってるんだろう。
確かに雅紀のテンションの高さにつられた感は否めないけど。
でも、結局は乗っかった自分が悪いんだよ。
まさに自業自得。
未だに俺を見てくれない智に怯みそうになるけど。
でも怖いから向き合いたくないとか言ってられない。
こんなことで智を失う訳にはいかないんだ。
智のことが好きだから。
「行ってくる」
覚悟を決めて、智に向かって一歩踏み出す。
「頑張って」
風間と雅紀は胸の辺りで拳を握ってエールを送ってくれた。