第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
「相葉ちゃんと潤くんもだよ」
翔が反省しているのを確認した風間は、今度はどこか他人事のように聞いていた俺たちに厳しい視線を向けた。
途端に背筋がしゃんと伸びる。
「今になってごちゃごちゃ言うくらいなら、ニノにプレゼントに女装することをアドバイスしてあげれば良かったんだよ」
「……え?」
アドバイス?
首を傾げる俺たちに風間は丁寧に説明してくれる。
「ニノはね、女装が嫌でしなかったわけじゃなくて。自分の女装がプレゼントになるって思ってなかったんだって」
その言葉にハッとした。
智や風間の女装をプレゼントにしたのだから、当然ニノだって…と俺たちは考えたけれど。
そうだよ、ニノは自分が可愛いという自覚が薄いんだ。
それに、女装に関するトラウマはだいぶなくなったんじゃないかと思うけど、だからって自信なんてまだまだないだろうし。
そんなニノが自主的に女装するわけがない。
「だから十分プレゼントになるんだって、ニノが女装すれば翔くんが喜ぶって教えてあげれば、ニノも考えたと思うよ」
「そっか…そうだよな…」
言われてみれば本当にその通りで、ちょっと考えれば分かることなのに、どうして思いつかなかったのか不思議なくらいだ。
ニノも女装してくるに決まってるっていう思い込みが強すぎて、アドバイスするなんて頭に浮かびもしなかった。
「でも3人とも何もしなかったし、何も言わなかった。なのに、女装して来なかったニノを責めるようなこと言って…ニノからしたら意味が分からないし、理不尽でしかないよね。大ちゃんがブチ切れるのも当たり前だと思うよ」
風間に淡々と責められて、俺たちは項垂れるしかなかった。