第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
こちらにやって来た風間は、縋るような目を向ける俺たちを見て大きな大きなため息を吐いた。
「もう何て顔してるの?しっかりしてよ」
「ごめんなさい」
風間は怒ってはいないようだけど、その表情も口調も呆れ果てていて。
3人分の謝罪の声が重なると、もう一度ため息を吐いた。
「あのね、みんなに悪気がなかったのは分かるよ。でも悪気がなかったら何を言ってもいい訳じゃないよね?」
「……はい」
「どうしてニノや大ちゃんの気持ちを考えられなかったの?」
「……本当に申し訳ない」
風間の言うことがもっとも過ぎてぐうの音も出ない。
「そんなに女装してほしかったなら、直接ニノに頼めば良かったんだよ。翔くんはニノから欲しいものを聞かれたんでしょ?」
「……うん」
風間に確認されて、翔が頷く。
翔はニノに希望を聞かれたけど、女装してほしいとは言えなかったらしい。
翔が言えなかった気持ちはちょっと分かる気がする。
でも風間は容赦なかった。
「後でガッカリするくらいなら、その時に素直にお願いしとけば良かったんだよ」
「……はい」
「言う機会があったのに何も言わなかったんだから、翔くんにガッカリする資格はないよね?落胆したとしてもニノには隠し通すべきだったと思わない?」
「……全くもってその通りです」
静かな口調で淡々と説教されて、翔がシュンと肩を落とした。