第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
-Mside-
ヤバいヤバいヤバい…
先を歩く3人を追い掛けながら、さっきからダラダラと冷や汗が止まらない。
ニノと風間は何度かチラチラとこちらを振り向いたりしてるけど。
智だけは一切こちらを見ようとしない。
その背中は完全に俺たちを拒絶してる。
……分かってる。
それだけ智を怒らせることを俺たちがしたんだって。
俺は今日もニノたちは女装してくるだろうと思ってた。
だって今日は翔の誕生日祝いの日だから。
俺の誕生日にも雅紀の誕生日にもプレゼントとして女装したんだから、今回だってそうだろうと。
そしてニノがするなら、智や風間も巻き込まれるだろうと思ってた。
ニノは一言も女装するなんて言ってなかったのに、それでも絶対してくるはずだと思い込んで、可愛い智を楽しみにしてたんだ。
だから電車に乗り込んだ瞬間にガッカリした。
ニノも智も女装なんてしていなかったから。
普通に考えれば女装なんてしてなくて当たり前なのに、絶対してるはずだと思い込んでた俺は落胆した。
自分勝手だと思うけど、何でしてないんだよってニノを責めたくなった。
でもそれは俺だけじゃなかった。
雅紀もものすごく期待していたらしく、その分ものすごく落胆していて。
そしてそれを堂々と口にして、ニノに不満をぶつけていた。
さすがに俺にはそこまで出来なかったけど、潤も同じでしょと同意を求められれば否定は出来なかった。
恋人の女装姿を期待していた俺たちを、ニノや智が冷たい目で見ていたことには気付いてた。
でもこの時点では怒ってはいなかった。
呆れてるだけだったと思う。
だから、ここでこの話を終わらせていれば良かったんだ。
今日は残念だったけど、またいつかに期待しようぜって。
そうしたら、こんなことにはならなかったんだ。