第2章 誕生祝い to Nino
-Mside-
みんなと待ち合わせてる電車に乗った瞬間、びっくりするくらいラブラブな空気を撒き散らすバカップルが目に飛び込んできて、朝からゲンナリしてしまった。
隙間がないくらいぴったりくっついた翔とニノ。
恋人繋ぎしてるのに、更にニノが反対の手で翔の腕をきゅっと握ってて。
超至近距離で何か喋ってはクスクス笑い合って。
翔の顔はデレデレに溶けていて崩壊寸前だ。
昨日はあの後ちゃんと話せたのかとか、しっかり誤解を解いて仲直り出来たのかとか、ニノは今日ちゃんと来るのかとか。
俺なりに色々と心配してたんだけど。
なんか真面目に心配していたのがバカらしくなるほどのイチャつきぶりに思わずため息が漏れた。
この様子じゃ聞くまでもなく仲直り出来たんだろう。
ニノの昨日の泣き顔や最近の作り笑顔を思えば、どんなにバカップルでも幸せいっぱいな笑顔を見れた方がいいに決まってるけど。
安心と呆れ半々の気持ちで言葉もなく2人を眺めていたら
「おはよ、潤」
智がクスクス笑いながら近づいて来た。
「おはよ…あいつらずっとああなの?」
挨拶もそこそこについ確認してしまうと
「そうだよ。翔くん、ニノの家まで迎えに行ったみたいでね。駅に現れた時からずっとあのまま」
智はますます楽しそうに笑った。
マジか…
ただでさえ早い時間の待ち合わせなのに、翔のやつ家まで迎えに行ったのか…
それは、もう二度とニノを不安にさせないって言う決意とか、ニノをどれだけ大切に想っているかっていうのを行動で伝えようとしてるのかもしれないな。
んで、ニノがあれだけ甘えてんのは、最近ずっと自分の感情を抑え込んでた反動なのかも。
それにしたってイチャつきすぎじゃね?とは思うけど。