第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
「浴衣も可愛いかったよね!」
「ああ、あれは良かった」
「今年は風ぽんも着てくれないかなぁ」
落ち込む俺の横で、雅紀と潤くんはどんな格好をしてほしいかで盛り上がっていて。
「でもメイド服もさ…」
「いや、クリスマスの時みたいに普通の格好の方が…」
いつの間にか翔ちゃんもしっかり参加してて。
やっぱり女装を期待してたんだと思い知らされて、さらに気持ちが重くなった。
「おはよー」
「おはよ、風間」
風間も合流して、やっとみんな揃う。
でも翔ちゃんたちは女装話に夢中で、特にテンション高く喋ってる雅紀は風間が来たことに気付かない。
「なんか盛り上がってるね」
「ああ、あれはね…」
目を丸くして雅紀を見る風間に智が状況を説明してあげて。
事情を聞いた風間は仕方ないなって顔で苦笑してるけど、風間はもっと怒っていいと思う。
風間の代わりに雅紀を睨む。
目の前の恋人の存在にも気付かないくらい女装の話が大事かよ!
なんでそんなに女装が好きなんだ?
風間が言ってたみたいに、女装してたら人目を気にしないでいいから?
そこまで考えてハッとする。
翔ちゃんも俺の女装を期待してた…
それはもしかして翔ちゃんもずっと人目が気になってたってこと?
俺は他人の視線なんてどうでもいいと思ってたけど、翔ちゃんはちがったの?
俺、翔ちゃんに我慢させちゃってた?
本当はずっと嫌だった?