第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
そもそもの話。
女装がプレゼントなんてさ、智も風間も可愛いから成立したんであって。
俺の女装なんてプレゼントにはならないんだよ。
翔ちゃんに欲しいものを聞いた時も、翔ちゃんの口からは女装のじょの字も出なかった。
俺も考えてなかったけど、翔ちゃんだってそんなの求めてないんだよ。
いい加減この話は終わりにしてほしい。
翔ちゃんも困ってるんだと思う。
さっきから全然喋ってないもん。
でも雅紀は全然空気を読んでくれなくて。
「翔くんだって期待してたでしょ?」
あろうことか翔ちゃんにまで同意を求め始めた。
まじでやめてほしい。
でもまぁ、翔ちゃんがさくっと否定すればこの話も終わるだろうと思って。
雅紀を睨みつつ翔ちゃんの答えを待つ。
でも翔ちゃんは困ったように笑うだけで肯定も否定もしない。
……え?なんで否定しないの?
心臓がドキリと嫌な音を立てる。
もしかして雅紀の言う通りなの?
本当は翔ちゃんも期待してた?
ふとさっき見間違いだと思った翔ちゃんの顔を思い出す。
ガッカリした雅紀と潤くん。
2人と同じ落胆の表情。
あれは見間違いじゃなかったの?
翔ちゃんも実は俺が女装してくることを期待してた?
だから普通の格好で現れた俺を見てガッカリしたの?