第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
駅に着いたら既に雅紀が待ってたんだけど。
「雅紀、おはよー」
「おは……えっ!?」
雅紀は俺たちを見るなり、挨拶もせずに素っ頓狂な声を上げた。
突然の大声に体がびくっと震える。
こういう突然驚かされるようなのは苦手だからやめて欲しい。
でも雅紀はそんなのお構いなしに、俺を見て智を見て、誰もいない空間を何かを探すようにキョロキョロ見回して。
もう一度俺に視線を戻すと、はぁぁ…と大きなため息を吐いてがっくりと肩を落とした。
え、こわいこわい…
どう見ても奇行にしか見えない行動を取る雅紀にドン引いてしまう。
なんで会って早々こんな態度?
しかも雅紀は見間違いでも気のせいでもなく明らかに落胆してるし何か言いたげな顔をしている。
「なんで今日は女装してないんだ?」
ってか、表情で訴えるだけじゃなくて真正面から言葉でぶつけてきた。けど。
「………は?」
ちょっと何を言ってるのか意味がわからない。
なに?女装?
雅紀は何を言ってんだ?
「なんでって、なんで?」
「今日は翔くんの誕生日祝いだろ!なのになんで女装してないのさ?」
本気でわからなくて質問に質問で返す俺に、雅紀は当然だろって顔をするけど、やっぱり意味がわからない。
なんで翔ちゃんの誕生日に女装しなきゃいけないの?