第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
でもやっぱり嘘をついちゃってる後ろめたさがあって、下を向いてモゴモゴとしか言えなかった。
そんな俺の態度をどう受け取ったのかは分からないけど、翔ちゃんは信じてくれたみたい。
「ありがとう///カズも今日も可愛いよ」
照れくさそうにはにかむ翔ちゃんが可愛い。
でもそれ以上に気になったのが…
「かわいい?」
「もちろん!俺のカズはいつだって最高に可愛いけど、今日もとってもとってもとっても可愛いよ!」
つい聞き返した俺に、翔ちゃんは真顔で力説してくれる。
嘘をついたり無理してる感じは全然なくて。
良かった…
今日の格好が変だったり好みじゃないって訳でもないみたい。
まだほんのちょっぴり残ってた不安も、これできれいさっぱり消え去った。
「えへへ///」
「可愛いなぁ、もう」
嬉しくてヘラヘラ笑っちゃう俺の頭を、翔ちゃんがぽんぽんって撫でてくれた。
ああ、幸せ♡
「本当に大丈夫?」
「うん!大丈夫!」
また確認されるけど、俺は絶対折れない。
だって本当に何ともないんだもん。
翔ちゃんは俺をじっと見てたけど、やがて諦めたように小さく息を吐いて。
「…ちょっとでもおかしいと思ったら無理せず言うんだよ?」
「はーい!」
「じゃあ、行こうか」
「うん♡」
最後に釘を刺すと、俺の手を引いて歩き出した。
でもまだちょっと心配そうな顔してるし、歩く速度もいつもよりゆっくりだ。
翔ちゃんのお祝いの日なのに、朝から変な見間違いして心配させちゃってごめんね…
本当に大丈夫だから今日は楽しもうね!
そんな気持ちを込めて翔ちゃんの腕にぎゅっと掴まった。