第19章 誕生祝い to Sho * 3rd
いつだって自分のことより俺のことばっか考えて優先してくれる優しくて心配性で過保護な翔ちゃん。
「カズ、体調悪いなら今日は行くのやめようか…」
俺が何も言わずに翔ちゃんの様子を伺ってたら、心配顔の翔ちゃんはそんなことを言い出して。
やっぱりいつも通りの翔ちゃんだって、なんかすごく安心した。
さっきの表情は気のせい。
俺の見間違いだったんだよ、きっと。
それならもう考えるだけ時間のムダだよね。
何よりこんなことで翔ちゃんに不要な心配かけたくない。
「ううん!行くよ!俺元気だし!」
今日は翔ちゃんのお祝いだもん。
どこも何ともないのに行かないなんてありえない!
「でも…」
「俺も今出てきたところだから全然待ってないし…タイミングばっちりだったんだよ?すごくない?」
「…本当に無理してない?」
「うん!」
元気だよって訴えるけど、翔ちゃんの心配はなかなか消えてくれない。
「でも、さっきちょっと様子がおかしかったよ?ボーッとしてたと言うか、顔色もあまり良くなかったし…」
それは翔ちゃんがあんな顔したから…
それを言うなら先に様子がおかしかったのは翔ちゃんじゃん…
そう思ったけど、何となく口に出すことは出来なくて。
「本当になんでもないから…その…翔ちゃんが今日もカッコよくて見惚れてただけ…」
結局違う理由を口にした。
翔ちゃんがカッコいいのは本当だもん。
ボーッとしてた理由とは違うけど、完全な嘘ではないもん。