第18章 誕生祝い to Masaki * 3rd
そんなことを思い出しながら、幸せそうなニノや智たちをぼんやりと眺めていたら、ふいに左手に温かいものが触れた。
何かと思って見ると、風ぽんが赤い顔をしながら遠慮がちに俺の手を掴んでいて。
風ぽんから手を繋いでくれるなんて初めてのことでびっくりしちゃって。
何も言えずに繋いだ手を凝視してたら、風ぽんの顔が不安げに曇った。
「………ごめん、やだった?」
「やなわけない!!嬉しい!!」
風ぽんが悲しそうに手を離そうとするから、慌ててその手を捕まえる。
いけない!
また同じことを繰り返すところだった。
もう風ぽんを悲しませないって決めただろ!
黙り込むな!
思ってることは全部口に出すんだ!
「嬉しすぎて感動してたの!」
「…本当?」
「本当!そこは疑わないでよ!」
「良かった…」
小さな手をぎゅっと握りながら力説したら、風ぽんは安心したように笑って。
「俺、本当はずっと不安で…」
「風ぽん?」
「ニノたちまで巻き込んでこんなことしちゃったけど、本当にこれで良かったのかなって…」
ぽつりぽつりと自分の気持ちを吐き出し始めた。
「俺はニノや大ちゃんみたいに可愛いわけじゃないし、やっぱり相葉ちゃんは俺の女装なんて望んでなかったかなって…そう思って…」
よく見ると風ぽんの手は小さく震えてて。
俺はやっと風ぽんがずっと不安な気持ちを抱えていたことに気付いた。
ああ…ここまで言われないと気付けないなんて、俺は本当に大馬鹿だ…