第18章 誕生祝い to Masaki * 3rd
あの日もこの2組のカップルたちはめちゃめちゃイチャついてたんだけど。
ニノと智は女装してたから、今日と同じで普通のカップルにしか見えなくて。
まぁ、イケメン2人に美少女双子って組み合わせは違う意味で目立ってたけど。
いわゆる男同士のカップルに向けられる好奇や嫌悪の視線なんかは全くなかった。
でも俺と風ぽんは2人とも男物の浴衣姿だったから、ニノたちみたいに人目を気にせずイチャイチャすることは出来なくて。
何にも煩わされずにラブラブしてる2組が羨ましいって思っちゃったんだ。
風ぽんが聞いてたってことは、思っただけじゃなく口からも出ちゃってたんだな。
まぁさ、人目なんて気にしなきゃいいんだって分かってるよ。
ニノなんかキッパリ他人にどう思われるかなんてどうでもいいって言い切ってて。
女装してようがしてなかろうが、どんな格好をしてたって一貫して翔くんへの態度を変えることはない。
それが出来るニノはカッコいいと思うし、俺もそうあれたらいいなって思う。
でもさ、外でもラブラブしたいって言うのは俺のワガママで。
それで実際にやって白い目で見られるのが俺だけならいいんだけどさ。
それは無理じゃん。
どうしたって風ぽんを巻き込んじゃう。
風ぽんとイチャイチャはしたいけど、それ以上に俺の身勝手のせいで大切な風ぽんを悪意に晒すとか絶対したくないから。
まぁ、テンションが上がった時とか勢いで手を繋いじゃうこともあるけど。
基本的には我慢してるんだよ。
だからあの日、誰も傷付いたり嫌な思いをしたりすることなくイチャイチャしてるニノたちが羨ましくて。
“いいなぁ” って思ったんだ。