第18章 誕生祝い to Masaki * 3rd
ってか、俺が黙り込んでたってうそだろ?
俺はちゃんと答えてるつもりだったけど、実際は何一つ言葉にはなってなかったってこと?
「脳内ではめちゃ答えてたんだけど…」
「風間はエスパーか!!そんなん伝わるわけないでしょうが!!」
「ご、ごめん…」
言い訳も一瞬で切り捨てられて、反射的に謝ってしまう。
でもそんなんじゃニノの怒りは収まらない。
「風間はねぇ、お前のために自ら女装したんだよ!雅紀に喜んでほしいからって!なのにお前は、褒め言葉の1つもないどころか、目も合わさないって何なんだよ!!」
ニノの言葉がグサグサ突き刺さる。
それと同時にやっと分かった。
この女装は風ぽんからのサプライズプレゼントなんだって。
しかも誰かに強制されたわけじゃなく、自発的にやってくれたって…
風ぽんは一体どれほどの勇気を出してくれたんだろう。
それなのに、俺は “ありがとう” も “可愛い” も何も言わず、ずっと風ぽんから目を逸らしてたって…
「ばかばか!!本っ当にばか!!」
自分のあまりの最低さに自己嫌悪に陥る俺を、ニノが容赦なく責める。
でも、ニノの言う通りだ。
こんな馬鹿な俺は怒られて当然だ。
いや、怒ってるのが風ぽんじゃなくてニノっていうのが若干あれだけど…
ここはおとなしく怒られて、大いに反省しよう。