第2章 誕生祝い to Nino
昨日、泣きながら走り去ったというニノを、翔くんが追いかけて行ったけど…
その後どうなったんだろう?
ちゃんと誤解は解けたかな?
潤は、翔くんが何とかするだろうって。
大丈夫だから心配するなって言ってたけど…
やっぱり心配だよ。
しかもニノが泣いた原因が俺にもあるんだから尚更だ。
「あ!ほら、ニノ来たよ!…んん?」
モヤモヤとした気持ちでいたら、雅紀がそれを吹き飛ばすような明るい声を上げた。
でも、ほらっと指差しながら、首を傾げていて。
「なに?どうしたの?…えっ?」
不思議に思って、俺も雅紀の指差す方を見て。
雅紀が驚いてる意味がわかった。
「え?なんで翔くんがいるの?」
雅紀の言う通り、ニノがこちらに向かって来てるんだけど。
その隣に当たり前みたいに翔くんがいる。
今年も途中の駅から合流するはずだったんだけど…完全に遠回りというか同じ道を戻ることになるのに。
翔くん、ニノのこと迎えに行ったんだ…
ニノは今日もお姉さんにスタイリングしてもらったらしく可愛らしい姿で。
翔くんにしがみつくみたいにして腕を組んで、幸せいっぱいにニコニコしてる。
そんな可愛いニノにくっつかれてる翔くんは溶けちゃいそうなくらいデレデレで。
朝からびっくりするくらいのラブラブオーラを放っている2人に、俺は何を心配してたんだっけ?と一瞬本気で思ってしまった。