第18章 誕生祝い to Masaki * 3rd
とにかくニノたちが来てくれれば、翔も落ち着くし、雅紀を誤魔化す必要もなくなる。
だから早く来てくれと願っていたんだけど。
「おっはよー!」
次にやって来たのは雅紀だった。
やっぱりそううまくはいかないか…
「おはよう、雅紀」
「おはよう」
「……あれ?2人だけ?」
キョロキョロ辺りを見回した雅紀が不思議そうに首を傾げる。
「何でニノがいないの?」
風間が来ていないことより、翔とニノが一緒にいないことを不審がってる。
そうだよな…滅多に別行動しないやつらが別々な方が気になるよな…
これは…どうやって誤魔化せばいいんだ?
困ってちらりと翔を見たけど、翔は悲しそうな寂しそうな顔で黙り込んでるだけ。
おい!返事をしろ!
ニノに頼まれたこと忘れたのかよ!
「あー…ちょっとな…まだ来てないんだよ…」
「え?何かあったの?もしかしてケンカ?」
仕方なく俺が返したけど、何を言えるわけでもなく。
曖昧に言葉を濁したら、雅紀が心配そうに顔を曇らせた。
「翔くん大丈夫?ニノって基本的に温和だけど、その分怒らせるとめちゃくちゃ怖いんだよね…でも早く仲直りした方がいいと思うよ?」
何も言わない翔を本気で心配する雅紀は本当に良いやつだ。
まぁ、大いなる誤解なんだけど。
おかげで風間が遅れてることに意識が向いていないようだし。
雅紀には悪いがもうちょっと誤解しててもらおう。