第18章 誕生祝い to Masaki * 3rd
「明日ね、俺たちもしかしたら遅れちゃうかもしれないから、その時は翔ちゃんと潤くんで雅紀を誤魔化しておいてほしいの」
ってさ。
昨日、雅紀の目を盗むようにニノに呼び出されて頼まれたんだけど。
それもなんか花火大会の時のことを思い出させて。
まぁ、あの日は俺がサプライズされる側だったんだけどさ。
後から翔に、事前にニノから智たちがいないことを適当に誤魔化しておいてほしいと頼まれてたと聞いたんだよ。
現地集合なのも、智たちが遅れてくるのも、事前の根回しも。
あの時と全く一緒だから、ちょっと期待しちゃうよね。
今回も可愛い智が見れるんじゃないかって。
いや、十中八九違うとは思うよ?
もし俺の予想が当たっていたとしても、まぁ女装するのは風間だけだと思うし。
でもさ、もしかしたらもしかしたりするかもしれないじゃん?
「やっぱり家まで迎えに行けば良かった…」
なんて嘆いてる翔はその可能性に気付いてんだか気付いてないんだか…
「ニノにお願いされてホイホイ引き受けたのはお前だろ」
「うっ…」
ニノにうるうるの上目遣いで「お願い♡」って言われて、何も聞かずに安請け合いしたのは翔だ。
「約束守らない男は嫌われんぞ」
「うぅっ…」
今から迎えに行かれても行き違う可能性のが高いから諦めさせないと。