第18章 誕生祝い to Masaki * 3rd
これでひとまず話は終わりかなと思ったんだけど、よく見ると風間はまだ何か言いたげな顔をしていて。
もしかして女装以外にも何かしたいことがあるのかな?
「風間?まだ何か相談したいことがある?」
「うん…あの、あのね…実はもう1つお願いしたいことがあって…」
話を振ってみたら、風間はまたモジモジ状態に戻ってしまった。
女装したいって言うより恥ずかしいことなのかな?
それが何なのかは分からないけど。
「なに?何でも言ってよ!」
何であれ協力するつもりで胸を叩いたら、風間は不安とほんの少しの期待が入り混じった目でちらりと俺と智を見た。
「その…俺一人じゃ不安で…」
………ん?
「あの…出来たら…3人で…」
………んん?
「一緒に…してほしくて…」
………んんんー?
風間は言葉を濁してはっきり明言はしなかったけど、要は俺たちにも女装してほしいってこと…だよね?
「………」
声には出さなかったけど、たぶん無意識にやだって気持ちが顔に出ちゃったんだと思う。
「やっぱり嫌だよね…ごめん、変なこと言って…今のナシで…」
風間は俺の表情を読むと、さっさと取り消してしまった。
うぅぅ…
そりゃ嫌だよ。翔ちゃんは可愛いって言ってくれるけど、やっぱり女装に自信なんてないし。
でも目に見えてしょんぼりしちゃった風間に罪悪感がチクチクする。