第18章 誕生祝い to Masaki * 3rd
そんな俺と風間を黙って見比べてた智が、風間に向かってふにゃっと笑い掛けた。
「俺はいいよ、一緒に女装しよっか」
「大ちゃん!いいの?!」
風間の顔が一瞬でぱぁっと明るくなる。
「もちろん。1人じゃ不安な気持ちも分かるし、俺でよければ付き合うよ」
「ありがとう!すごく、すごく心強いよ!」
全然恩着せがましくなく、さらりと引き受ける智がかっこいい。
風間は目を潤ませて喜んでる。
うううぅ…
これで俺はやだとか言いにくくない?
それにさ、風間はいつだって優しくて。
俺のワガママにも嫌な顔1つしないで付き合ってくれて。
なのに、俺は初めての風間のお願いも聞いてあげないとか…そんなのだめでしょ!
風間が勇気を出して俺たちを頼ってくれたんだ。
これで引き受けなきゃ男が廃る!!
「……俺も!俺もやる!」
「え!?本当に?本当にいいの?」
「うん!」
「無理しないでいいよ?元々ダメ元だったし…無理強いはしたくないし…」
やるって言ってるのに何故かオロオロしちゃって。俺の心配をしてくれる風間は本当に優しい。
「風間のためだもん!俺もやる!俺も風間の力になりたい!」
こんな優しい風間のためなら俺だって頑張るよ。
「ニノ……ありがと……大ちゃんも……本当に本当にありがと……」
風間は感激したみたいに目を潤ませてる。
こんなに喜んでもらえるなら、やっぱり引き受けてよかったと思えるよ。
それにさ、よく考えたら俺は別に可愛くなくていいんだよ。
むしろ俺が並ぶことで風間の引き立て役になれるかも。
そう気付いたら肩の力が抜けて、俄然やる気が出てきた。
よーし!やるからには絶対成功させてやる!