第18章 誕生祝い to Masaki * 3rd
「あ!ううん!大丈夫!仲間はずれだなんて思ってないから!」
「ごめん…」
申し訳なくてしょんぼりする俺を、風間が慌ててフォローしてくれる。
「気にしないで、ニノがそんなことするなんて思ってないよ」
優しく笑ってくれる風間は本当に優しい。
「ニノたちを責めたいとかじゃ全然ないんだ…」
でも、その笑顔がふっと翳った。
「ただね、あの日女装した2人を見て、雅紀がいいなぁって言ったんだよね…」
………“いいなぁ” とは?
何が?女装が?
雅紀も女装したかったとか?
いや、それはないよね。
それなら…なんだろ?
ないと思うけど、俺たちが可愛くて羨ましくて “いいなぁ” ?
もっとないと思うけど、男より女の子の方が “いいなぁ” ?
「……………」
なんかものすごく腹が立ってきた!
雅紀のやつ、意味合いによってはマジでぶん殴ってやる!!
…なんて、密かに拳を握りしめていたけど。
「女装して見た目が女の子に見えれば、人前でくっついてても変な目で見られないでしょ?」
風間がそう続けたから、ひとまず雅紀を殴るのはやめることにする。
「多分だけど、それが羨ましかったぽくて…」
そんなの格好に関わらずくっつけばいいじゃん…とは、言えなかった。
俺は見ず知らずの他人にどう思われようが関係ないって思って好きにしてるけど。
それでも奇異の目に晒されることは決して気分の良いものではないから。
そういうのに煩わされないっていう意味では、確かに女装も “いいなぁ” なのかもね。
でも、女装ってバレるんじゃないかとか、翔ちゃんに気持ち悪いって思われるんじゃないかとか。
俺は違う意味でソワソワしちゃって落ち着かないんだけど。