第18章 誕生祝い to Masaki * 3rd
「………で、具体的にどうしたいかは決まってるの?」
とりあえず学校じゃ話しにくいよねって、風間の部活がない日に俺の部屋に集まってみた。
詳しい内容が分かんなかったから、とりあえず今日は智と風間と3人だけ。
「あの…あのね、笑われると思うんだけどね…」
なのに、風間は言い難そうに口ごもってて。
「なんで?何だか分かんないけど、風間がやりたいことなんでしょ?笑ったりしないよ?」
風間が雅紀のためにって考えたことを笑うわけないのに。
「ううん、笑っていいよ…自分でもバカだなって思ってるから…」
「そんなことないのに…」
風間は頑なだ。
そこまで言われると、一体何を言われるのかちょっとドキドキするんだけど…
「とりあえず教えてよ。何だか全然わかんないから」
話を聞かないことには話が進まないから。
先を促したら、風間はやっと話し始めてくれた。
「その…松潤の誕生日の時さ…あの、花火大会の時ね?」
「うん」
「2人は女装してたじゃない?」
「……ごめんっ!」
話をちゃんと聞こうと思ってたのに、思わず遮ってしまった。
ぱちんと手を合わせて頭を下げる。
風間からその話題に触れてくるとは思ってなかったからびっくりしたけど、それは俺もちょっと気にしてたことだったんだ。
「風間を仲間はずれにしたんじゃないんだよ!あれは本当は智だけの予定だったの!俺は女装しないはずだったの!でも何でかあんなことになっちゃて…」
潤くんへの誕生日プレゼントとして智を女装させようとしたら、予想外に俺まで女装することになっちゃって。
そんなはずじゃなかったから、風間にも事前に何も言ってなくて。
当然風間は男物の浴衣で。
風間が女装したかったとは思わないけど、何となく仲間はずれにしちゃったみたいな…
そんな罪悪感がうっすらあったんだよね。