第2章 誕生祝い to Nino
「隠すことに気を取られすぎて、カズがどう思ってるのかまで気が回らなくて…本当にごめん…カズに悲しい思いをさせてまでサプライズにこだわる必要なんてなかったのに…」
翔ちゃんはどんどん落ち込んでいってしまって。
「そんなことないよ!俺のために色々考えてくれたんでしょ?俺、すごく嬉しいよ?」
「本当に?」
「本当だよ。ね、何を準備してくれてたの?」
しょんぼりしてる翔ちゃんの気分がちょっとでも上がればと思って聞いてみたんだけど。
翔ちゃんはハッとした顔をすると
「ごめん!プレゼントの中身だけでも渡すまでのお楽しみにさせて!それくらいのサプライズは残させて!」
お願いって手を合わせて。
なんだか必死な翔ちゃんが可愛くて。
「ふふっ…分かった、楽しみにしてる♡」
自然と笑みが溢れた。
「ありがとう、翔ちゃん」
でも、プレゼントってなんなんだろう?
クリスマスにおそろいのマフラーをもらったけど、季節が変わって今は使えないから…今度は夏に向けての何かかな?
それとも…
智に相談ってことは、もしかして絵を描いてくれたとか?翔ちゃんが?
どうしよう、すごくワクワクしてきた!
いつもらえるのかな?
明日?それとも誕生日当日?
予告されたサプライズは、程よいドキドキとワクワクがあって、安心して楽しみに待てる。
ゲンキンなもので、急にサプライズが好きになって。
そんな自分がおかしくて、小さく笑ってしまった。