第2章 誕生祝い to Nino
「その…カズのね、誕生日プレゼントをサプライズで用意してたんだ…」
「えっ!?」
翔ちゃんが観念したような顔をして教えてくれたけど、そんなこと全く考えてもいなかったから、ものすごく驚いた。
「俺の?」
「そう。智くんに相談に乗ってもらったりしてたんだ」
俺の誕生日プレゼント?
それを2人で考えてくれてたの?
「あ、ちなみにいつも潤も一緒だったから!智くんと2人きりではなかったからね!」
そこは誤解しないでほしいと、強めに念押しされた。
ああ、だから潤くんは知ってたんだ…
あんなに落ち着いてたのは、自分も一緒にいたからか。
きっと翔ちゃんに口止めされてて、それで言えなかったんだろうな。
智が嘘をついた理由もきっと同じなんだろう。
「サプライズにしてカズを驚かせたかったんだ…」
「そうだったんだ…そんなこと考えもしなかった…」
なんだかしょんぼりと落ち込んでしまった翔ちゃんを見て、申し訳ない気持ちになる。
「疑ってごめんなさい…」
きっと俺のために頑張って準備してくれてたサプライズを、俺が疑ったせいで台無しにしちゃったんだ。
「違うよ、俺が悪いんだ。下手に隠して不安にさせて本当にごめんね」
でも翔ちゃんは俺のこと責めない。
まぁ、本音を言わせてもらえるのならば。
サプライズするならもっと上手に隠してほしかったなーとは思ってしまう。
俺のためにっていう気持ちはすごく嬉しいけど、まさかそんな嬉しい隠しごとをしてるなんて思いもしなかったから。
バレバレな嘘や不自然な態度は、不安でしかなかった。
サプライズなんて嫌いになりそう。