第16章 誕生祝い to Satoshi * 3rd
「ジャンケンで飲み物買いに行く人決めよ!勝った人ね!」
首を傾げてる間に勝手に決められて。
「最初はぐー!!じゃんけんぽん!!」
掛け声が聞こえたら、反射的に手を出してた。
結果は俺の一人勝ち。
「やった!!」
思わず喜んじゃったけど、いやいやいや…
「勝っちゃダメじゃん!」
勝った人が買いに行くんじゃん!
「あー、負けちゃったー、残念だなー」
「めちゃめちゃ棒読みじゃん!」
「うふふ♡よろしく、智♡」
しっかり負けたニノはにっこにこだ。
くそー!今ばかりは可愛い笑顔が憎たらしい!
「もう…今日は俺の誕生日祝いなんじゃないのかよぉ…」
「勝負は勝負だもん♡」
「はぁ…」
愚痴ってみても変更はしてくれないらしい。
「あ!潤くんもついてってあげてね!」
「なんで?」
「智すぐ迷子になっちゃうから」
「なんねーし…」
「なるでしょ。智方向音痴だもん」
なぜか潤まで巻き込まれて。
「いーから早く行ってきて!寒いんだってば!」
最後はぷんすか怒り出したニノに背中をぐいぐい押されてしまった。
もう、本当に理不尽なんだから!
そんなに寒いならみんなで戻って、どっかお店でも入ればいいのに!
さすがの俺でもちょっとイラッとしてしまったけど。
「仕方ない。行こうぜ、智」
すっかり諦めモードの潤が歩き出してしまったから。
「はぁ…」
ため息をひとつ吐いてから、潤の後を追い掛けた。