第15章 誕生祝い to Jun * 3rd
「え?智が翔ちゃんたちを呼んだの?」
キョトンとしてるニノは、どうやら智がメッセージを送ってきたことを知らなかったらしい。
「俺は、場所が分からないから会場の駅まで迎えに来てって言ったんだけどね…」
「いやいや!あんなメッセージもらってじっと待ってるなんて出来るわけないでしょ!」
苦笑する智に、翔が力説する。
「むしろ家まで迎えに行きたかったんだけど!間に合わなくてごめん…」
「ううん、むしろ行き違いにならなくて良かったよ」
それは俺もそう思う。
雅紀たちには連絡したけど、そういえば智にはしてなかった。
ニノのことで頭がいっぱいになってた翔もしてないだろう。
本当にちょっとでもタイミングがズレてたら、完全に行き違ってたと思うと怖い。
「こんな可愛い2人だけで歩いてて大丈夫だった?ここに来るまで何もなかった?誰かに声掛けられたり、連れ去られそうになったり…」
いつもならドン引く翔の心配性も、今日ばかりは心から同意してしまう。
単体でもめちゃくちゃ可愛いのに、双子仕様なせいで可愛さが倍どころか何百倍にもなっていて。
とにかく目立つ。
何もしてなくても、そこにいるだけで注目を集めてる。
なのに、その可愛さを自覚してるとは到底思えないし…
こんな危なっかしい2人を人混みの中に放置するなんて、心配を通り越して恐怖しか感じない。
ここまで迎えに来て、そしてすれ違わず会うことが出来て本当に良かった!!