第15章 誕生祝い to Jun * 3rd
「なぁ、一体なんなの?」
何もかもが分からなすぎて、何をどう聞いたらいいのかも分からないけど。
とりあえず智に問い掛けてみる。
我ながら漠然とした質問だと思うけど、智は袖を広げて浴衣を見せながら可愛らしくにっこり微笑んだ。
顔は確かに智なのに美少女にしか見えなくて、ちょっと戸惑ってしまう。
「えっとね、俺のこれに関しては、潤へのサプライズプレゼントだよ」
サプライズプレゼント???
首を捻りかけたが、ふと頭をよぎったことがあって、思わずポンと手を打った。
あれだ!
あの時感じた嫌な予感はこれだったのか!
思い出したのは、花火大会に行くことを決めた日のこと。
あの時ニノがニヤニヤ笑ってたのが気になったけど、きっとニノはあの時にこれを思いついたんだろう。
疑問に対する答えが分かってスッキリする。
正直、サプライズは苦手だけど。
ニノの思いつきが俺が思っていたような面倒なことではなくてホッとした。
「どう?驚いた?」
「かなり驚いた」
「やったね♡」
楽しそうに聞いてくる智に素直に答えれば、智は本当に嬉しそうに笑った。
いや、マジで驚いてるよ。
だって智が美少女過ぎる。
智が翔に送ったメッセージでは智については一言も触れてなかったから。
まさか智まで尋常じゃなく可愛くなってるなんて、そんなの想像すらしてなかった。
「嬉しい?ちょっとは喜んでくれてる?」
上目遣いで小首を傾げて。
狙ってやってんのかと聞きたくなるくらい可愛い仕草に、自然と顔がニヤけていく。
「めちゃくちゃ嬉しい…ってか、可愛すぎてヤバい…」
「良かった…///」
俺の答えを聞いた智はポっと頬を染めてはにかんだ。
そんな反応も可愛くてますますヤバい。