第15章 誕生祝い to Jun * 3rd
姉ちゃんに俺たちも確認するように言われて、ニノを引っ張って全身が映る鏡の前に移動して。
「おお!すげぇ!確かに双子!」
見るなり感嘆の声をあげてしまった。
鏡の中に居たのは浴衣姿の女の子2人組…に見える俺とニノ。
文化祭の時以上にガッツリばっちりメイクされた顔は、自分であって自分ではないみたいで何か不思議な感じがする。
ニノは言わずもがな。
どっからどう見ても美少女だ。
俺たち、顔は似てないんだけどね。
背格好がほぼ一緒で、同じ髪型に同じメイクでお揃いの浴衣まで着てるから。
姉ちゃんの言う通り、こうやって並んでると本当に双子みたいに見える。
いやぁ、すげぇ!
「バッグはこれね」
姉ちゃんに巾着を渡されたから、自分のバッグから財布とかスマホとか必要なものを移し替えて。
玄関にはしっかり下駄まで用意されてて。
もう準備万端!
あとは出発するだけ…ってところで、またニノがごねだした。
「…本当にこの格好で外に出るの?」
「逆にここまで準備してもらったのに出ない気なの?」
「…………」
真顔で聞き返してみたら、ニノはぐっと黙り込んだ。
ここまできたら、そんなこと出来ないってニノだって分かってるんだよね。