第2章 誕生祝い to Nino
-Nside-
久しぶりに心から笑った気がした。
どんなに笑顔を作ってても、やっぱり今までは笑えてなかったんだって実感する。
翔ちゃんに促されたとは言え、絶対口に出せないと思ってた、ずっと心の中にあったモヤモヤした気持ちを吐き出してしまって。
口にしてしまったら、このまま嫌われちゃうんじゃないかって心配でたまらなくなった。
でも翔ちゃんは、俺のそんな不安まで全部全部受け止めてくれて。
受け止めた上で俺のこと好きだって言ってくれて。
今もすごく優しい目で俺を見つめてくれている。
何度も言葉にして伝えてくれたけど、その視線までもが俺のことを好きだって言ってくれてるみたいで。
嬉しくて、すごくすごく幸せで。
俺も気持ちを伝えたくなった。
「翔ちゃんっ」
ベッドの上から翔ちゃんの胸へ飛び込むようにして抱きつく。
「わっ…ふふっ…」
翔ちゃんは一瞬驚いた顔をしたけど、笑いながらしっかり受け止めてくれて。
「翔ちゃん、すき…だいすき…」
「俺も大好きだよ」
想いを伝えれば、すぐに同じように返してくれた。
「だいすき…ありがとう、翔ちゃん」
「うん、俺もありがとう…大好きだよ、カズ」
俺が一番安心できる翔ちゃんの腕の中で、何度も好きだと伝えて伝えられて。
俺の心は幸せで満たされて。
あれだけ大きかった不安も悲しみも、いつの間にか完全に消えていた。