第15章 誕生祝い to Jun * 3rd
「今までだって可愛くしてあげてたでしょ?もしかして、それを翔くんに気持ち悪がられたの?」
「ちがうよ!ちがうけど…」
「じゃあいいじゃない」
「よくないよ!大体今までのは女装じゃなかったじゃん…」
「大丈夫!絶対可愛くしてあげるから!お姉ちゃんを信じなさい!」
「無理だよ…」
いつまでもニノがごねてたら、ついに姉ちゃんがブチ切れた。
「あー!!!もう!!!」
突然の大声にビクッとニノが震える。
ついでに俺もビクッとなった。
やっぱり怖ぇよ、姉ちゃん…
「ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ何なの!?」
「だって…」
「大体ね!智くんには強制するのに自分は嫌だなんて、そんなのおかしいでしょ!筋が通らないわよ!」
「うぅ…でも…でも…」
ビシッと叱られてニノが涙目になるけど、姉ちゃんは許さない。
「男でしょ!いつまでもウジウジ言ってないで腹括りなさい!」
女装するのに男らしさを求められるのか…
なんかちょっと変な気がするけど余計な口は挟まない。とばっちりが怖いからお口チャックだ。
それにね、泣きべそ状態のニノは可哀想だけど、これは良い機会なんじゃないかと思うんだ。
だってこんなトラウマ早く克服した方がいいじゃん。
そもそもがニノの誤解なんだもん。
ニノの女装が気持ち悪いわけない。
むしろ可愛すぎて困るくらい可愛いんだ。
まぁ、女装なんてそうそうするもんじゃないけどさ。
トラウマなんてない方がいいに決まってる。
ちょっと荒療治になっちゃうけど、変な誤解は誤解させた元凶の翔くんにさっさと解いてもらおうよ。