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キミのとなりで ずっと【気象系BL】

第15章 誕生祝い to Jun * 3rd



「えと…誰かに言われたとかじゃなくて…」

姉ちゃんの迫力にニノがタジタジになった。

勢いがなくなったニノの言葉に、姉ちゃんが怪訝そうな顔になる。

「え?言われてないの?」
「…う、うん」
「誰にも?何も?」
「うん」

何度も確認されてニノがこくこく頷く。
それを見て、姉ちゃんはホッと安堵の息を吐いた。

「なんだ。ただのカズの思い込みなのね」
「ち、ちがうもん!言葉じゃないけど、そういう態度を取られたんだもん!」

あっさり決めつけられて、ニノがムッとしたように反論する。

「カズの被害妄想じゃなくて?」
「ちがうってば!」
「本当ね?」
「うん!」

姉ちゃんは疑ってそうだったけど、ニノの必死さが伝わったのかすぅっと目を細めた。

「どこの誰?カズにそんな態度取ったの。姉ちゃんがとっちめてあげるわ」

口調は穏やかだし、なんならうっすら微笑んでるんだけど、なんか怖ぇ!!

目が笑ってないから?
声がひんやり冷え冷えだから?
分かんないけど、とにかく怖ぇ!!

「だ、だめ!」
「なんで?」
「姉ちゃんがこわいから!だめ!」

ニノもぶんぶん首を横に振ってる。

このままじゃ翔くんがどんな目に遭うか分かんないもんね。ニノも必死になるよね。

そんなニノの反応で犯人が誰か分かったみたいで、姉ちゃんはにっこり笑った。

「じゃあ、とびきり可愛くなって見返してやりましょ!姉ちゃんが美少女にしてあげるわ!」

どうやら仕返しの方向を変えることにしたようだ。

「なんでそうなるんだよ!」
「だって暴力はだめなんでしょ?」
「当たり前でしょ!」
「じゃあ平和的方法で見返すしかないじゃない」
「うぅ…」

凄みのある笑みを浮かべる姉ちゃんの圧に押されて、ニノは何も言い返せなくなった。

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